Interview インタビュー

facebook twitter Line

VRエンジニア インタビュー

vrengineer_main
Holoeyes株式会社CTO兼CEO
谷口直嗣さん
Mr Naotsugu Taniguchi

兵庫県出身。横浜国立大学建設工学科船舶海洋工学コース卒業後、株式会社日本総合研究所を経て、株式会社ナブラにてCGの研究開発に従事する。
独立後はフリーランスのエンジニアとして、コンソールゲーム、スマートフォンアプリ、インタラクティブコンテンツの企画開発を行う。
その後
・ゲームのリアルタイム3D技術をゲーム以外の領域で使うことをテーマに、ゲームエンジンを活用しTVアニメシリーズで使われる映像を制作する技術
・Pepperやロボットアームを連携させるアプリケーション
・ロボットアームとCGソフトを連携させるアプリケーション
などを研究開発する。
2014年、共同創業者の杉本真樹氏と出会い、医療向けVRアプリ開発を開始。
2016年10月HoloEyes株式会社を設立。
女子美術大学非常勤講師。趣味は、自転車、スキー、Standup paddle board、音楽(ジャズ、ブラジル音楽、ファンク、ロック、ヘビーメタル等)

HoloEyesを立ち上げる以前は、どのようなお仕事をしていたのですか

大学では船と飛行機が専攻で構造力学や流体力学をやっていました。新卒で日本総合研究所に入社しましたが、会社に合わなかったので、ナブラというCGスタジオに転職し、映像を作る上で必要とされるシミュレーション計算などをしていました。
それから動物番長というゲームの開発プロジェクトに誘われて、ナブラを退社しフリーランスとなってからは、動物番長の開発プロジェクトの他に、ゲーム開発の為のツールを開発し、ゲームのプログラミングもしました。
コミュニケーションサービスやゲームの企画開発をしていた時に、セカイカメラを開発していた頓智ドットという会社からオファーを受け、スマートフォンの仕事をやりたかったので入社して、セカイカメラの中で動くゲームのプロデュースやアプリの開発に携わりました。
再びフリーランスになってからは、インタラクティブコンテンツの企画開発や、ロボットのアプリケーションの開発、CGの研究開発をしました。当時作った、ロボットアームでコマ撮りアニメを撮影する仕組みがこれです。

Stopmotion Robotics
Stopmotion Robotics making time laps

vrengineer_1

HoloEyesを立ち上げるきっかけを教えてください

フリーランス時代、医療に関する案件をやっていた時に、HoloEyes共同創業者の杉本医師と出会い、OsirixというソフトとCTスキャンのデータの扱いを教えてもらいました。サンプルのCTスキャンデータから頭蓋骨のポリゴンを作ってみた後、手元にOculus DK1があったので、頭蓋骨の中にVRで入ってみたら面白いかな?と思ってVRアプリを作ってみると、色々と発見がありました。
その後、手術支援ロボット『ダヴィンチ』を体験しました。『ダヴィンチ』は、ロボットアームが人の身体の中に入り込み、それを医者が操作して手術を行うというもので、実際に体験してみると、人の体の中が立体的に見えてすごく操作しやすいのです。
『ダヴィンチ』とVRに共通性を感じて、VRアプリでこれを再現しようと思ったのが、『HoloEyes VR』開発の始まりです。
後日、杉本医師から実際にオペを受ける患者のCTスキャンデータからVRアプリを作って欲しいと言われました。そのVRアプリを作っていたら、メディアにも紹介され、VRコンソーシアムの賞もいただいたので、これは事業化ができるのではないかという考えに至ったのです。
その後、Tokyo VR StartupsというVR特化のインキュベーションプログラムに採択され、出資を受けることが決まったので、HoloEyesを立ち上げました。

vrengineer_2

Holoeyes VRのサービスについて教えてください

『HoloEyes VR』は、VRやMRを使った医療向けのサービスです。医療というとCTスキャンが広く使われていますが、これは本来3Dの人体を2D画像に変えています。これまでは、それを医師が頭の中で3Dに再構築していました。
HoloEyes VRは、3D地図のように体内データをみることができるサービスです。カメラの位置や動きも記録できるので、映像だけでなく、医者がどこを見たのかなども記録できます。3次元的な記録・再生ができると、奥行きのある体のデータを見ることができるようになります。その臓器に本当に頭を突っ込んでいるような、そんな体験をすることができるのです。
現場はもちろん、教育、研修など、医療だけをとってもこれから様々な場面で人々の助けになるサービスだと思います

VRエンジニアの仕事は、具体的にどのようなものですか

Unityを使ってアプリの開発をしています。コードはC#で書いています、またシェーダーも書いたりします。VR空間内の操作方法も考え、UIも考えて実装をします。ユーザーが使っている時に注意深くユーザーの操作を見て改善点について検討をします。
VRを動かすPCはハイパフォーマンスなGPUを積んだマシンを使うので、とても重いです。さらに、HTC Viveを使っているのでベースステーションを立てるスタンドも運ぶ必要があるので荷物が嵩張ります。デモの時はキャスターバッグに機材を詰めて袋に詰めたスタンドを乗っけて移動するので、結構大変なんです。

vrengineer-3

VRエンジニアエンジニアに英語力は必要ですか

現実には、一定の英語力がないと仕事にならないと思います。英語が読めると情報量が多くなるのはもちろん、VRの機材は進化が早く、最新の情報は英語で発信されます。機材の最初の設定やサンプルに関しては英語しかないことが多々有ります。セットアップが済んで、さあ動かそうと思ったら動かなくて、何かのエラーが出ているという場合は、エラーメッセージを検索して英語のQ&Aのページで解決法を見つけることが多いです。
オープンソースのライブラリを使う場合も、使い方や説明は英語ですし、Unityのアセットも英語で解説が書かれていることが多いです。これらを理解するだけの英語力がないと、先に進めないですよね。主に語彙力と読解力ということになりますね。
会話については流暢でなくてもいいですが、SXSWのような海外の展示会や、海外での学会や施設でデモをしに行くことも有るので、通訳を介さず英語でやり取りできる方が話が早いです。

その英語力をどのように身につけ、維持していますか

Googleの検索の言語を最初に英語の結果が出てくるように設定してあります。
Linkedinのプロフィールを英語で書いています。
英語のサイトも積極的に見ます。
英語でのメールのやり取りもします。
ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、日々の積み重ねを大切にしています。

vrengineer_4

英語力のほかに、VRエンジニアに求められる資質・適性を教えてください

3Dを使うので、行列、ベクトル、三角関数等の数学の知識は必要です。あとはデザインのセンスがあり、映像や舞台の演出方法などを知っていると役に立ちますね。音も重要な要素なので、音感と音を扱う経験があると良いです。

VRはこれから世界をどのように変えると思いますか

VRは体験をデジタル化するので、経験というものが流通し始めると思います。

今のお仕事のやりがいと、苦労する点を教えてください

やりがいは、これまでやってきた3Dやゲームのインタラクションを作る経験が、VRを通じて医療という分野で展開できることです。自分はゲームやCG作品などエンタメ寄りの仕事をしていたので、医療という責任の重い分野にかかわるようになるとは思ってもいませんでした。でも、エンタメに関わってきたことで、デザインやUIへのこだわりを医療系アプリ開発にいかせると思います。医療系アプリをもっとかっこよく、使いやすいサービスに向上させられると思うのです。
苦労する点は、とにかく機材が重いことです(笑)。

ご自身の目標、夢を教えてください

様々なスペシャリストとの仕事というセッションを通じて、マイルス・デイビスの様に新しいジャンルを開拓し続けることです。

VRエンジニアを目指す若者へメッセージをお願いします

英語と数学をがんばってください!VR以外のものにも目を向けると、きっと面白いものができると思いますよ。

vrengineer_5

facebook twitter Line