Interview インタビュー

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英字新聞編集者インタビュー

英字新聞編集者001
The Japan Times ST編集長
高橋敏之さん
Mr Toshiyuki Takahashi

1977年生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学卒業後、大手大学入試予備校の英語講師として勤務。その後(財)日本英語教育協会を経て、2007年にジャパンタイムズ入社。ST編集部配属となり、国際ニュースページや英語学習コラムの執筆等を担当。2012年10月より現職。
ST編集の傍ら、企業・大学での英語研修や英語学習に関する講演会等も多数実施。自身も英字新聞で英語力を飛躍的に高めた経験から、娯楽性と学習効果を両立させた最高の英字新聞を作ることを、日々追求している。趣味は自転車、プロレス観戦、インテリアコーディネート。
TOEIC 990点、英検1級、動物検定3級。

・The Japan Times ST
・ボキャビル・カレッジ

現在の仕事内容を教えてください

英語学習用の週刊英字新聞『The Japan Times ST』の編集長をしています。他にも、英語学習関連の各種セミナーや講演活動、自ら立ち上げたYouTube動画チャンネル「ボキャビル・カレッジ」向けの英語学習動画コンテンツの制作も行っています。

英字新聞記者・編集者を目指そうと思ったきっかけと、道のりを教えてください

英字新聞編集者002

もともと英語は好きでしたが、大学での専攻は日本史でした。私の時代は就職氷河期で、就職のためには何か武器が必要だと考えて英語を学び始めました。結局、就職活動は思うようにはいかず、最終的に大学入試予備校の英語講師になったのですが、今後もずっと英語教育にかかわるならば、やはり海外生活を経験しておきたくて、予備校は退職し、1年間オーストラリア放浪生活をしていました。
2003年に帰国後、(財)日本英語教育協会(現、英語検定協会)で英語教材編集の仕事をし、その後2007年にジャパンタイムズに入社しました。2012年から現職に就いています。

英字新聞社で働きたいと思ったきっかけは、前職ではクライアント向けの英語教材の制作がメインの仕事であり、クライアントの意向を忠実に形にすることが業務の到達点であったため、もっと自分のアイデアを形にできる仕事をしたいと思ったことです。

現在の仕事に求められる英語力を教えてください

当たり前ですが英語ができないと仕事になりません。英検だと準1級、TOEIC800点くらいは最低限必要で、そこから英検1級、TOEIC900点を目指してほしいです。ただ、こうした資格や検定は、そのために勉強し対策をたてれば、誰でもそれなりの成績を残せるものだと思います。
実際に業務で必要とされるのは、英文記事を深く読み込む読解力と、それを日本人読者にわかりやすく説明する文章力です。また、英語のネイティブスピーカーの著者とやり取りしながら、企画を練り、記事を作り上げていくという作業では、英会話力や語学を問わない企画構成力も求められます。全般的な英語力が高いことが求められるのは確かですが、それを検定やテストの点でこのくらい、と明示するのは難しいですね。

その英語力はどのように習得し、維持しているのですか

英字新聞編集者003

英語習得のために私がしたのは、文法の例文を片っ端から音読する。その日にあったことを日記風にまとめ、20分間声に出してプレゼンする、などです。プレゼンする相手は、鏡の中の自分でもペットの亀でも構いません。単語帳で単語だけを覚えるのではなく、文を丸ごと覚えたり書いて、口に出すことが大切です。文脈で覚えることで、文法や語彙がリアリティあるものになり、より記憶に残るし、自信をもって使えるようになるからです。おじさんが若者言葉を真似すると違和感があるのは、単語だけでわかったつもりになって、どういうシチュエーションでどういう文脈の中で使うかを考えていないからです。英語も同じで、単語だけ暗記しても、自然な使い方はなかなかできないものです。
英語力維持には、インプット・アウトプットを欠かさず、「英語圏での暮らしと変わらないレベル」を維持するように努めることが大切です。私は好きな海外ドラマやアメリカのプロレスマッチを観たら、それで終わりにせず、内容を要約して自分にプレゼンしてきました。誤解されていますが、日本人の英語学習は、インプットもアウトプットも極端に少ないのが現実なんです。中高6年間英語を勉強してきて云々なんて俗に言われていますが、学校の授業の中で本当に英語学習のみに使う時間とエネルギーを改めて考えてみてください。あんな量では全く足りませんよ。

現在の仕事に英語以外に大切な能力・資格・適性はありますか

英語学習者のニーズを見抜く目。
良い記事が見つかるまで探し続ける粘り強さ。
まだ世に存在していないものを生み出す創造力。
あとは、気力と体力です。

英字新聞記者・編集者のお仕事のやりがいと、苦労する点を教えてください

月並みですが、企画等が読者から評価された時はやりがいを感じます。苦労する点は、紙媒体というメディアの性格上、若い人へリーチするのが難しいということです。紙媒体は今後も苦戦を強いられると思うので、ここを新しい発想や企画で逆転できたらいいなと思っています。

今後の目標を教えてください

英字新聞編集者004

日本人の英語学習に一石を投じたいです。
インプット、アウトプットともに、流暢に英語が話せるレベルになるには日本人の学習量は全く足りません。その現実を伝え、学校教育は英語が話せるようになるための下地を作る場所くらいに考え、自分の努力でもっともっとやる必要があるのだという認知を広めていきたいです。
英語が話せるようになるためには、ネイティブと話すことは絶対に必要です。それには英会話スクールやスカイプ英会話を使えばいいと思うんです。読むこと、特に音読も大事です。そのために英字新聞をもっと活用してほしい。そういうことを、世の中のスタンダードにしていきたいです。

英字新聞記者・編集者を目指している人へメッセージをお願いします

この仕事は、英語を使うだけでなく、英語を使ってアイデアを形にできる非常にクリエイティブな仕事です。また、昔は「良い紙面」を作れば編集の仕事はそこで完結しましたが、現在ではそれでは不十分で、作った紙面をどのように世間に届けるか、いかにして媒体の持つ価値を伝えていくかといった戦略にまで頭を使う必要があります。そうしたことにやりがいを感じる人は、英字新聞記者・編集者としての適性が高いと言えると思います。
英語力はもちろん必須であり、そのレベルは高ければ高いほど良いですが、同時に言語を問わず多くの文章を読み、書くことで読解力と文章力を鍛えたり、世の中の動きを把握して自分が訴求力のある企画を提案するなら、と想像をめぐらせるなど、コツコツと努力を重ねれば、必ず仕事にプラスになるでしょう。

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