Interview インタビュー

facebook twitter Line

美容専門学校校長インタビュー

beautyschool_1
住田美容専門学校校長
住田知之さん
Mr Tomoyuki Sumida

東京都渋谷区出身。青山学院大学経済学部卒業後、タカラベルモント株式会社に入社。
様々な事業を展開し、理美容サロンの機器や頭髪化粧品からサロンづくり、新規開業の相談まで行う同社にて、理美容界の基礎を学ぶ。
平成7年に退社し、日本の専門学校の地位確立のために尽力し「専門学校の母」と異名をとった祖母が創設した住田美容専門で、副校長として経営・教育に携わる。
平成16年より理事長・校長兼任。
常に新しい技術やトレンドへの感度を保ち、理美容師をサポートするため、積極的にSNSを活用。国家資格合格率、就職率ともに業界トップクラスの高水準を保っている。
また、卒業生が気軽に母校に遊びに来ることができる、キャリアで悩んだ時に相談できる場所づくりの一環として、学校の最上階に「住田の図書館」を設け、理美容師や生徒が感性を磨くことのできる環境を提供している。

・住田美容専門学校

日本の美容業界は他国と比較して独特なのですか

beautyschool_5

日本の美容業界は、技術立国ならではの匠の技の伝承と、新しい世代の挑戦によって生まれる新しいモードへの対応が両立しているお仕事です。
料理の業界に例えると分かりやすいのですが、料理人の成長が「先輩から技や味を教えてもらう時期」と、「独立して自分ならではの味を提案する時期」に分かれるように、美容師も「先輩から基礎技術を伝えてもらえる時期」と「自分のお客様のために、新しい提案をする時期」に分かれており、本当に美容を面白いと感じられるようになるのは後期だと思います。
また「先輩から基礎技術を伝えてもらえる時期」に、先輩たちが無償で技術を教えてくれるというのは、他国にはない極めて珍しい環境。他の多くの国では、スキルアップのための技術習得は、自分でお金を払って学ぶ必要があるので、日本の美容環境はとても恵まれていると思います。

日本の美容技術とサービスのレベルは、世界からどのようにみられているのですか

beautyschool_4

日本の美容技術は間違いなく世界トップレベルです。理由は、お客様のジャッジが世界一厳しい国だからです。
他国の場合、ヘアスタイルの注文は、お客様と美容師の間で明確な言葉のやり取りを行うことで成り立ちます。
「何色にして欲しい」、「前髪を何センチくらいにしてほしい」、「髪の質感をこんな手触りにして欲しい」、などとハッキリ言う海外のお客様に対しては、希望したことを叶えることが求められるのですが、日本のお客様の場合、「私に似合うように」とか、「今風に」とか、「空気感を出して欲しい」という感じの、いわば「美容師さんの技術とセンスで、私を幸福にして欲しい」という姿勢が要求されます。
お客様の好みは人それぞれですので、多くをお客様の幸せにできるというのは、数多くの現場体験を繰り返し、様々な技術を駆使できるベテランになる必要があるのです。 先ほど同様、料理で例えるなら、初めて出会ったお客様が「自分が満足できる料理を出して欲しい」と仰るような感じですので、大変難しいのです。
そのような日本のお客様の繊細な要求にこたえてゆける美容師は、海外の方に対しても、同じように誠意を尽くして幸せになってもらおうと仕事をされますので、満足度も高いのです。
現在では、東南アジアはもとより、世界各国で多くの日本人美容師が活躍しています。

美容師に英語力は必要ですか

美容というお仕事で絶対に必要なのは、「お客様との共通認識を持てるようにする」という事です。例えば「クシ」と言っても海外の人には分かりませんよね。もし海外の人とコミュニケーションをするのであれば「クシ」ではなく「コーム」と言い換えなければなりません。まず最低限の英語力がなければ、お客様の注文を伺うことも、自分の技術の説明を行うこともできないのです。
もっと高度な会話ができるなら、より信頼できる美容師として認められますので、英語が堪能な美容師さんがいらっしゃるサロンには、今現在でも多くの海外の方がいらっしゃっています。日本のヘアサロンに行くために、日本を訪れる海外のお客様も増えている状況は、これからも続くのではないかと思われます。
特にこれから美容師になろうという学生や、キャリアを積んでいく若い美容師は、技術の研鑽と同時に英語力をつける努力をしておくと、将来の可能性が非常に広がると思います。

住田美容専門学校では、生徒たちにその英語力をつけるためにどうサポートしていますか

beautyschool_3

住田美容専門学校では、修学旅行と研修を兼ねてロンドンとパリに生徒たちが行くプログラムがあります。ヨーロッパの街並みや食べ物、におい、空気に触れるだけでも大きな刺激になりますし、あちらのヘアサロンや人々のヘアスタイルを実際に見て、海外で美容師として働きたいという夢を抱く生徒も中にはいます。
学校の最上階に設けている「住田の図書館」には、高価なので自分で購入するのは難しい外国のアート本も多くそろえていますので、在校生だけでなく、卒業生が感性をリフレッシュし、英語で書かれた美理容の記事を読むことで、英語力アップに役立っているかもしれません。
独学でも、英会話スクールに通うでも、英語力習得は各自のモチベーションに委ねています。学校としては、英語が得意な学生や、将来海外で活躍したいと希望される学生には海外とのパイプがある美容室に就職する事をおススメしています。
現在海外で活躍されている多くの美容師は、日本で技術を習得した後に海外に行かれ、現地の美容師と技術交流をしながらボキャブラリーを増やしていく方が多いです。
また最近では、美容師向けの専用の英会話本も出ていますので、それらを活用されるのもおススメです。

英語力のほかに、ヘアメイクの仕事に就く人に必要な資質はなんですか

技術力が何よりも重要です。美容師の場合「技術への満足=お客様から頂戴できる料金」となりますので、技術を上げて損することは全くありません。
日本とはちがい、良い技術に対して金額で評価をする海外では、セレブの方などに信頼されてお抱え美容師になったり、カット料金だけで2万円でもいつも予約でいっぱい、というような美容師も少なくありません。
まずは技術とセンスを上げてから海外へ行かれると、技術者として高く評価されると思います。
あとは、コミュニケーション力、ホスピタリティ、センスなどです。社会人としての常識とマナーも当然必要です。
髪を触られるというのは、非常にパーソナルな体験です。お客様に自分の髪を安心して委ねてもらい、髪の仕上がりはもちろん、精神的にもリラックスできる心地よいひと時だったと思ってサロンを出ていただく。
それを実現するために、可能な限り技術力を上げると同時に何ができるのか。それを考え実行できることが、優れた美容師に共通する資質だと思います。

ヘアメイクの仕事を目指す若者へのメッセージをお願いします

beautyschool_2

スポーツなどでも同じだと思いますが、上手くなればなるほど面白く、更なる目標も見えてくるのが美容師さんの仕事の魅力です。だからまず、友達や家族などヘアアレンジやスタイリングから始めてみてはいかがでしょう?
どちらも、カットしたり、カラーしたりという美容技術ではありませんが、それでも相手のために練習して、きれいに仕上げることができれば「ありがとう!」という言葉を頂けると思います。
美容師さんが練習するのは、そんな言葉が嬉しいから。上手くなればなるほど、あなたの周囲の人をきれいする事ができ、みんなから「ありがとう」と言ってもらえるお仕事が、美容なのです。

世の中の状況が流動的で、大企業に終身雇用されることが多くの人が目指す働き方ではなくなっている現在、手に職をつける目的で美容の世界を目指す若者は増え続けています。
ちょっと面白い例でいえば、ハサミとクシだけを持って世界中をヒッチハイクして回られていた日本の美容師さんもいらっしゃいますよ。

・桑原淳 旅人美容師の1000人ヘアカット世界一周の旅

もし興味があれば、是非、美容というお仕事に挑戦して頂ければ嬉しいです。

facebook twitter Line